帰りの電車の中で読み終えました。
端的な感想をまず言うと、「素敵だわ~、アシュート」の一言。
道果てはそもそもネット小説から始まったものが書籍化されているので、私は先にネットのほうで存在を知りました。今更新されている分まで目を通したら、書籍化されている事実に気付き(それも、「つがいの歯車」と同じイースト・プレスから)、急いで地元の本屋で取り寄せました。
ネットと書籍ではだいぶストーリーに変更があって違いますが、両方にそれぞれの味があっていいです。
「――残酷な奇跡に、私はなにをのこせるだろう」
この煽り文は、まさに、と心に響く言葉です。
主人公のユーナは普通の町娘ですが、一ページ目でいきなり馬車に轢かれて死にます。それでも天国に召されることはなくユーナの魂は、とある理由から一年ほど聖女シェリアスティーナの体に宿ることに……。
設定も面白いし、それにこの話には一種の哲学があるな、と感じました。
一度死んで、別の人間としてわずかな時間を再び生きる。
一年後には今度こそ死んでしまうとわかっているから、生きていられることの大切さをわかっているから、ユーナは一生懸命だけれど、死にたがる人がユーナの目の前には現れる。
とても難しい問題だな、と読んでいてとても考えさせられました。じっくりと考えてみると、私は随分と人生を無駄にしてしまっている気がします。
もし、あと一年しか生きられなかったら……、私は何ができるんでしょうか。
大事なことを気付かせてくれる、そんなお話でした。
私も自分の作品で何か伝えられたらな……、と思います。
端的な感想をまず言うと、「素敵だわ~、アシュート」の一言。
道果てはそもそもネット小説から始まったものが書籍化されているので、私は先にネットのほうで存在を知りました。今更新されている分まで目を通したら、書籍化されている事実に気付き(それも、「つがいの歯車」と同じイースト・プレスから)、急いで地元の本屋で取り寄せました。
ネットと書籍ではだいぶストーリーに変更があって違いますが、両方にそれぞれの味があっていいです。
「――残酷な奇跡に、私はなにをのこせるだろう」
この煽り文は、まさに、と心に響く言葉です。
主人公のユーナは普通の町娘ですが、一ページ目でいきなり馬車に轢かれて死にます。それでも天国に召されることはなくユーナの魂は、とある理由から一年ほど聖女シェリアスティーナの体に宿ることに……。
設定も面白いし、それにこの話には一種の哲学があるな、と感じました。
一度死んで、別の人間としてわずかな時間を再び生きる。
一年後には今度こそ死んでしまうとわかっているから、生きていられることの大切さをわかっているから、ユーナは一生懸命だけれど、死にたがる人がユーナの目の前には現れる。
とても難しい問題だな、と読んでいてとても考えさせられました。じっくりと考えてみると、私は随分と人生を無駄にしてしまっている気がします。
もし、あと一年しか生きられなかったら……、私は何ができるんでしょうか。
大事なことを気付かせてくれる、そんなお話でした。
私も自分の作品で何か伝えられたらな……、と思います。
つい先程、「雪国」を読み終えました。
途中感想をリアルタイム日記のほうでも載せましたが、終始あでやかな話でした。
直接的な描写ではないにしろ、婉曲的にそういったものをほのめかしている部分が多いです。それが、風景描写であったり、心理描写であったりしますが、しかし表現が溜息をつくほど綺麗です。だから、逆に卑猥には感じられないところが、この作品のすごいところ。もちろん、日常の表現や人物の表現もうっとりするものがあります。
たとえば、葉子という女性が出てきますが(主人公ではありませんよ)、この人の声を川端康成はこんなふうに表わしています。
「悲しいほど美しい声だった」
なんの変哲もない普通に使う言葉ですが、どこか心の奥に沁み渡るような澄んだものを感じられました。気取ったものは一切ありませんけど、葉子という女性の雰囲気のすべてが汲み取れる表現です。
芸者である駒子(こちらがヒロイン)の描写の中にも、こんな表現もあるのかと思ったのが……
「百合か玉葱みたいな球根を剝いた新しさの皮膚は、首までほんのり血の色が上っていて、なによりも清潔だった」
球根ですか……って、驚いた人物描写です。清潔、という言葉も、現代では容姿などの説明にはあまり使わないので、とても新鮮でした。
こんな文章を書いてみたい、というのが私の第一の感想ですが、うーん、先は長そうです。ちらちらと垣間見える理知的な引用や表現は中々真似できるようなものではありませんから、今更ですが、やはり知識は必要だと思いました。
まさか、川端康成のように東大へ行こうとは思いませんけれど(または大江健三郎のように)、知識や教養などは高めたいです。
……私は大器晩成型だということで、目先のものに励みたいと思います。
さて、次は「道果て~」を読みます。その次は、長い間借りっぱなしの「兎の眼」の予定。
途中感想をリアルタイム日記のほうでも載せましたが、終始あでやかな話でした。
直接的な描写ではないにしろ、婉曲的にそういったものをほのめかしている部分が多いです。それが、風景描写であったり、心理描写であったりしますが、しかし表現が溜息をつくほど綺麗です。だから、逆に卑猥には感じられないところが、この作品のすごいところ。もちろん、日常の表現や人物の表現もうっとりするものがあります。
たとえば、葉子という女性が出てきますが(主人公ではありませんよ)、この人の声を川端康成はこんなふうに表わしています。
「悲しいほど美しい声だった」
なんの変哲もない普通に使う言葉ですが、どこか心の奥に沁み渡るような澄んだものを感じられました。気取ったものは一切ありませんけど、葉子という女性の雰囲気のすべてが汲み取れる表現です。
芸者である駒子(こちらがヒロイン)の描写の中にも、こんな表現もあるのかと思ったのが……
「百合か玉葱みたいな球根を剝いた新しさの皮膚は、首までほんのり血の色が上っていて、なによりも清潔だった」
球根ですか……って、驚いた人物描写です。清潔、という言葉も、現代では容姿などの説明にはあまり使わないので、とても新鮮でした。
こんな文章を書いてみたい、というのが私の第一の感想ですが、うーん、先は長そうです。ちらちらと垣間見える理知的な引用や表現は中々真似できるようなものではありませんから、今更ですが、やはり知識は必要だと思いました。
まさか、川端康成のように東大へ行こうとは思いませんけれど(または大江健三郎のように)、知識や教養などは高めたいです。
……私は大器晩成型だということで、目先のものに励みたいと思います。
さて、次は「道果て~」を読みます。その次は、長い間借りっぱなしの「兎の眼」の予定。
読書感想文の本である古都を読み終えました。
おかしなことに、夏休みで読んだ本がこれで二冊目っていう……。
どんだけ、読んでいないのかやっと気付きました。
それにしても、川端康成の文章は素晴らしいです。
なんというか、さすが天下の川端康成というか……、私が言うのもなんですが、文章が流麗で表現も繊細で美しく、うっとりとしました。
千恵子さんと、苗子さんが二人で暮らせるようになったら、と思いましたけど、育ってきた二十年の環境が違うから、仕方がないのかもしれません。
秀男さんの心変わりは少し意外でしたけれど、雰囲気的にはそちらのほうが合っていると思いました。
個人的には真一さんが好きですが、あんまり登場しなかったことにちょっと不服を覚えました。
さて、読書感想文はどうしたものやら。
おかしなことに、夏休みで読んだ本がこれで二冊目っていう……。
どんだけ、読んでいないのかやっと気付きました。
それにしても、川端康成の文章は素晴らしいです。
なんというか、さすが天下の川端康成というか……、私が言うのもなんですが、文章が流麗で表現も繊細で美しく、うっとりとしました。
千恵子さんと、苗子さんが二人で暮らせるようになったら、と思いましたけど、育ってきた二十年の環境が違うから、仕方がないのかもしれません。
秀男さんの心変わりは少し意外でしたけれど、雰囲気的にはそちらのほうが合っていると思いました。
個人的には真一さんが好きですが、あんまり登場しなかったことにちょっと不服を覚えました。
さて、読書感想文はどうしたものやら。
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プロフィール
HN:
稿 累華
年齢:
35
HP:
性別:
女性
誕生日:
1990/10/06
職業:
大学生
趣味:
読書・執筆作業・芸術鑑賞
自己紹介:
現在都内の大学に通う大学一年生。一年の時点では教養課程なので専攻はないけど、二年になったら心理学コースに進む予定。
英語はそれなりに読んだり聞いたりして理解できるけど、喋るのはあまり得意ではなかったり。第二外国語ではフランス語、第三外国語ではラテン語を学習中。
将来的には作家になりたいので、創作の肥やしにするために色んなものを聞いたり見たり読んだりして経験値を増やそうと日々奮闘してます。
くわしいプロフィールは下のURLから。
http://pr2.cgiboy.com/S/2401908
英語はそれなりに読んだり聞いたりして理解できるけど、喋るのはあまり得意ではなかったり。第二外国語ではフランス語、第三外国語ではラテン語を学習中。
将来的には作家になりたいので、創作の肥やしにするために色んなものを聞いたり見たり読んだりして経験値を増やそうと日々奮闘してます。
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