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主に読書の感想にしか使ってないブログです。でも最近忙しすぎて読む暇が本当にない……。
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 つい先程、「雪国」を読み終えました。

 途中感想をリアルタイム日記のほうでも載せましたが、終始あでやかな話でした。
 直接的な描写ではないにしろ、婉曲的にそういったものをほのめかしている部分が多いです。それが、風景描写であったり、心理描写であったりしますが、しかし表現が溜息をつくほど綺麗です。だから、逆に卑猥には感じられないところが、この作品のすごいところ。もちろん、日常の表現や人物の表現もうっとりするものがあります。
 たとえば、葉子という女性が出てきますが(主人公ではありませんよ)、この人の声を川端康成はこんなふうに表わしています。

 「悲しいほど美しい声だった」

 なんの変哲もない普通に使う言葉ですが、どこか心の奥に沁み渡るような澄んだものを感じられました。気取ったものは一切ありませんけど、葉子という女性の雰囲気のすべてが汲み取れる表現です。
 芸者である駒子(こちらがヒロイン)の描写の中にも、こんな表現もあるのかと思ったのが……

 「百合か玉葱みたいな球根を剝いた新しさの皮膚は、首までほんのり血の色が上っていて、なによりも清潔だった」

 球根ですか……って、驚いた人物描写です。清潔、という言葉も、現代では容姿などの説明にはあまり使わないので、とても新鮮でした。
 こんな文章を書いてみたい、というのが私の第一の感想ですが、うーん、先は長そうです。ちらちらと垣間見える理知的な引用や表現は中々真似できるようなものではありませんから、今更ですが、やはり知識は必要だと思いました。
 まさか、川端康成のように東大へ行こうとは思いませんけれど(または大江健三郎のように)、知識や教養などは高めたいです。

 ……私は大器晩成型だということで、目先のものに励みたいと思います。
 さて、次は「道果て~」を読みます。その次は、長い間借りっぱなしの「兎の眼」の予定。

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HN:
稿 累華
年齢:
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性別:
女性
誕生日:
1990/10/06
職業:
大学生
趣味:
読書・執筆作業・芸術鑑賞
自己紹介:
現在都内の大学に通う大学一年生。一年の時点では教養課程なので専攻はないけど、二年になったら心理学コースに進む予定。
英語はそれなりに読んだり聞いたりして理解できるけど、喋るのはあまり得意ではなかったり。第二外国語ではフランス語、第三外国語ではラテン語を学習中。
将来的には作家になりたいので、創作の肥やしにするために色んなものを聞いたり見たり読んだりして経験値を増やそうと日々奮闘してます。

くわしいプロフィールは下のURLから。
http://pr2.cgiboy.com/S/2401908
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