出てからだいぶ経ちましたが、読みました橋本紡の新刊。
テーマは妊娠と出産。ここ数年妊婦のたらい回しがニュースになったり、あとは「お産難民」という言葉を聞いたりしましたけど、そういったものを含めたものがテーマとなっています。
私はまだ18歳ですが、女性の一人としておそらくいずれ向き合わなければならないことです。他人事ではありません。
主体のストーリーは記者の由佳子が『特集―産む―』というテーマで記事を書くことで多くの女性や夫婦にインタビューをするという展開(同時に某産婦人科医訴訟事件も追っています)ですが、間にその彼らの視点からの話が挿入されています。
一番初めは、幸せな結婚をして妊娠したけど、流産してしまう女性。
二番目は、結婚したけど、子供ができないことに悩む女性。
三番目は、妊娠をしたけど産む場所がないことに困っている女性とその旦那さん。
……そういった感じでいくつもの視点から、妊娠や出産について描かれています。
話のなかに何度も出て来ましたけど、女性が妊娠できるピークは三十代半ばまでらしいです。それ以降は急速に体が老いていく。35歳と36歳では歴然とした差があるそうです。
最近、二十代は結婚せずに自由にやりたいと考える女性が世の中には増えています(私も実際にそうしたいし)。けど、そうしてから結婚したあともたもたしていると、あっという間にピークを過ぎてしまう。子供が欲しいのに、難しくなってあとあと苦しい思いをしなければならなくなってしまう。
それってどうなのかな、と思いました。
もちろん、子供は要らないと思っている人なら別でしょうけど、子供が欲しいと思っている人にとって、子供を得られないというのは拷問に近い苦しみなのではないでしょうか。
私は結婚したいと思っているし、同時に子供も欲しいと思っています。もしも、自分が子供を得るのに難しい状況に立たされることを考えるだけで、とても辛い。まるで私自身を否定されているかのような気分になります。
遊びたい、という気持ちはありますけど、それで未来の自分が苦労することになるようならしっかりと現実を見ていく必要があるのだと感じました。何事においても。
これまでの橋本先生の作風とはちょっと違う感じがしましたが、橋本先生らしさも残っています。
今までなおざりにしか思っていなかったことを考えさせてくれた一冊でした。
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英語はそれなりに読んだり聞いたりして理解できるけど、喋るのはあまり得意ではなかったり。第二外国語ではフランス語、第三外国語ではラテン語を学習中。
将来的には作家になりたいので、創作の肥やしにするために色んなものを聞いたり見たり読んだりして経験値を増やそうと日々奮闘してます。
くわしいプロフィールは下のURLから。
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